石工
新旧技術の両立
ヴェルサイユの石工たちは、ルイ14世の時代から伝承された石職人の技術と、現代の技術の両方を用い、修復全体の耐久性を高めます。彼らはまた、17世紀に掘られた地下ギャラリーから大理石装飾の固定装置にいたるまで、泉水全部の構造を取り扱います。 |
長持ちさせるための徹底的な作業
まず最初に数百年の歴史をもつ地下構造に、補強・防水工事が行われます。蜘蛛の巣構造の部屋(噴水工のページを参照)とそれに続く地下ギャラリーのアーチの石材ひとつひとつを取りはずします。次に破損した石を交換しながら、再び一個ずつ取り付けていきます。泉水の基礎構造(「ラトナとその子供たち」の集合像の真上の支柱及び周囲の冠)は、現代の資材で補強を行い、地下深く杭を打って(8〜10メートル)支えます。
ラトナの階段を補強する石工 © EPV / Thomas Garnier
大理石の下は鉛
水面に出ている大理石部分は、長い年月にわたる水漏れによって著しく損傷しました。そこで2013年春から、外装面の大理石を取り除き、大理石修復家に渡します(大理石修復家のページを参照)。この作業で、泉水の様々な噴水受けの完璧な防水対策を行います。このため材料にはこれまでと同じ鉛が使われます。しかしこれまで長い間放置してきた素材の膨張の問題については、0.5cm幅の広い折りたたみ式の鉛のテーブルを作り、噴水受けと外装の大理石の間に添えることで改善します。