水力装置
水力システムの要
庭園の大眺望の中心であるラトナの泉水は、ヴェルサイユの水力システムの要です。テラスに面した上方の泉水(水庭と動物の闘い)と下方の泉水(アポロンの泉水、バッカスの泉水、鏡の泉、ローマの婦人達、王太子の木立ち、ジランドールの木立ち、オベリスク、列柱廊それぞれにある泉)を結ぶ重要な役割をしています。泉水全体の水の供給は、すべてラトナの泉水に依存しています。 |
ラトナの泉水の水の効果
ラトナの泉水には、ピラミッド状の3段の階段に全部で74の噴水が配置されています。地下には二重の鉛管を蜘蛛の巣状に配したアーチ天井の部屋があり、そこから74の噴水に水が送られています(噴水工のページを参照)。
噴水は泉全体に注がれ、一部はラトナ像に、一部はピラミッドの外側に、また一部は縦に噴き出します。その後水は、ピラミッドの壇上に集められ階段を流れ落ちます。縦の大きな2つの麦束がアクセントを加えています。
泉水の水力装置は、1680年代のピラミッド建設当時から19世紀半ばまでほとんど変わっていません。その後行われた改造で、2段目の縦の噴水が取り除かれました。また噴水の形状や強さも変更され、とりわけ麦束の2つのノズルが変わり、トカゲと亀の冠の噴水の曲率半径が変更されました。
修復工事の目的の一つは、当初の構造を再現することです。このために、噴水工が2段目にあった縦の噴水を復元し、放水管の大工事を行います(噴水工のページを参照)。
水を噴き上げるラトナの泉水 © EPV / Thomas Garnier
噴き上げる噴水 © EPV / Thomas Garnier