ラトナの泉水の修復


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歴史的修復を実現する泉水の解体
 
数年来、建設時の基礎部をなす部分の亀裂によって、彫像や給水網を支える中央の階段式噴水は著しく劣化しました。それに加え、長い年月に伴うひび割れで、建造物の防水性が悪化し、大理石や彫像が脆い状況になっていました。 
 
 
Le bassin de Latone avant restauration
復元前のラトナの泉水 - © EPV / Thomas Garnier
 
 
泉水の解体と創設当時の資材による修復
 
ラトナの泉水は、上方の泉水から集めた水を下方の泉水に配水する水力システムの要となっているだけに、全面的な修復が緊急の課題でした。
長年の懸案事項であったこの一大プロジェクトは、2012年フィランソロピア財団のメセナ活動の支援により実現する運びとなりました。歴史的記念物主任建築家ピエール=アンドレ・ラブロード氏監督のもと、工事現場は3つの部署に分かれて行われます。
 
 
彫像、大理石、積み石、給水管の解体
 
まず解体は、73個の彫像に始まり、大理石の外装部分、鉛製の噴水受け、積み石から給水設備に至るまで、個々のパーツごとに行われます。
 
Dépose des sculptures en plomb
鉛像の運搬 - © EPV / Thomas Garnier
 
 
アトリエでのパーツの修復
 
次にこれらのパーツはすべてアトリエに運ばれ、文化遺産保存の技術をもつ職工、作業員、専門家(石工、石彫職人。大理石修復家、金属修復家、金メッキ職人、噴水工等)によって修復されます。  
 
Dépose des marbres
鉛像の運搬 - © EPV / Thomas Garnier
 
 
ラトナの泉水の建て替え

ヴェルサイユ庭園の核をなすラトナの泉水は、修繕されたパーツのひとつひとつが丁寧に組み直され、建設当時の輝きを取り戻しました。
 
泉水修復プロジェクト
泉水修復プロジェクト - © Pierre-André Lablaude
 
 
職人の仕事
 
ヴェルサイユ宮殿では復元工事の期間中、職人・作業員・技術者らのすばらしい仕事を紹介しています。数回に分けて一般の方にも、現場での作業の様子やデモンストレーションを見学いただいております。
 
現地では、視聴覚ルームで修復作業の様々な過程を視聴できるほか、アトリエの窓越しに職人やヴェルサイユの噴水工が行う実際の作業も見学できます。大規模な給水設備の鋳造の様子、中でも多くの運河や噴水などからなるこの庭園の水流構造のいわば機能上の核となっている、通称「蜘蛛の巣」と呼ばれる給水管網をじかにご覧下さい。
 
 
 

作業場のライブ

作業場のタイムラインで、ラトナの泉の修復状況を見る.

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